審査委員長からのメッセージ

 

 

 西洋でクラシック音楽が出現して以来、何世紀もの間、多くのピアニストは作曲家であり、演奏家であり、即興演奏の能力を備えていました。即興で音楽を作ることに長けていた彼らは、その自由な創造性と技術で聴衆を惹きつけたのです。しかし、19世紀以降、徐々に作曲家と演奏家は分かれていきます。ピアニストは作曲家の意図を汲み取る演奏に専念するようになって、クラシック音楽の即興性は失われました。その一方で、同じ頃アメリカで生まれたジャズ、そして後に広まったポップ・ミュージックは、即興を魅力の一つとしています。

 

  最近はピアノコンクールでも、課題曲などとしてジャズやポップの演奏を聴くことが増えました。審査員として演奏を聴くなかで、ジャズやポップならではの即興性やグルーヴ等が足りず、クラシックを演奏する時ほど熟練していないケースが多くあることに気付きました。

 

 「ジャパン・ジャズ・ポップ・ピアノコンペティション」の目的は、ピアニストがかつての芸術的自由を取り戻すことです。参加者は創造性と豊かな自己表現力を養い、またはさらに強化することを目指します。

 

  参加資格と要件は、競技者のレベルによって異なります。上級者も歓迎されることは言うまでもありません。詳細については、ウェブサイトの各部門を参照してください。評価の基準は部門により異なりますが、音色の美しさは不可欠であり、すべての部門で審査の対象です。審査結果は書面だけでなく、審査チームより直接口頭でアドバイスする時間を設けてお伝えします。

    

  豊かな個性と音楽性に溢れるピアノ演奏を楽しみ、今後の活躍に役立てていただけるような場になることを願っています。

 

ミハウ・ソブコヴィアク